世界規模で原油価格が下落しています。
アメリカのシェールオイル輸出などによる超過供給や原油輸入国である中国の経済成長の失速などが主な原因になっています。
日本のような石油輸入国にとってはありがたいことですが、このままだとどのような影響がでてくるのでしょうか。

下落による影響:輸入国

原油価格の下落の影響を輸入国側から見た場合はとてもシンプルになります。
長らく高騰が続き、リーマンショックの一件で少し下落した後、再び高騰という不安定な値動きをしていた原油価格が、当分の間は上昇する要素がないので下落が続くと見られているため、輸入国にはありがたい効果がでていると言えるようです。

具体的なところでは、ガソリン、電気代をはじめとする原油価格と連動性の高いものの価格が下がっています。
輸入国側としては様々なメリットが生まれています。

下落による影響:OPEC

石油輸出国機構「OPEC」は現在、アメリカのシェールオイルの開発により世界規模で原油価格の下落が続く状況でも、OPEC加盟国全体の減産を見送りました。
理由は大きく分けて2つあり、ひとつは今回の下落は一時的なものであり、来年には需要が回復するとみているからです。
しかし、よく似た状況に陥った70年代後半のオイルショック後と照らし合わせると、OPECが期待しているほどの回復はなかなか望めないのではないかという見方もあります。

もうひとつはシェールオイルが出回っているからといって、市場のシェアを落とすわけにはいかないというもので、アメリカのシェールオイルには開発コストが莫大に掛かるので、原油価格が下がり続ければ元が取れなくなって生産を停止するに違いないといった見込みがあるようです。
これはいわゆる「チキンレース」に近い様相を呈していて、今後の大きな争点になると見られます。

下落による影響:アメリカ

今回原油下落の一因である、シェールオイル革命の中心にいるアメリカはというと、40年ぶりに原油輸出を解禁することを審議することが決定しました。
これにより、OPECの減産見送りによる影響に対して、アメリカ側も負けじと圧力をかけていく構図になったといえます。

原油輸出解禁はまだ審議の段階ですが、この判断に踏み切れるような状況になったことにもシェールオイルが深く関係しています。
現在アメリカではシェールオイルの普及が著しく、日本のガソリン価格が-3%ほどであるのに対してアメリカでは-13.4%ほどにまでなっています。
そして、シェールオイルの急増を受けて石油業界では余ってしまったガソリンを国外に輸出できるようにしてほしいという意見が多く、今回の審議に盛り込まれることになりました。
もし解禁されれば、OPECへの圧力は相当なものになると言われています。

下落による影響:その他の原油輸出国

その他の原油輸出国で特に注目すべきなのは、エネルギー輸出に大きく依存しているロシアなどが挙げられます。
ロシアの通過であるルーブルは40%以上の下落を記録し、国内の経済へのダメージは相当なものになるだろうと予測されています。

また、資源国であり新興国でもあるブラジルなども経済的な被害を被っています。
ブラジルは国際的なマネーフローに通貨のレアルが使われ、景気の回復や成長率が失速しているにもかかわらず金利を引き下げざるをえなくなりました。

今なお様々な場所に影響を与えている原油価格の下落は、「逆オイルショック」とよばれています。

おわりに

下落が続く原油価格ですがまだまだ続くと言われていますが、もしアメリカが原油輸出を開始したならさらに下落するとみられます。
OPECやその他の原油輸出国に対するアメリカの一人勝ちの構図が出来上がる可能性もあり、今後も目が離せないトピックであるといえます。