石油輸出国機構(OPEC)とはどんな団体なのかのメインビジュアル

近年まれに見る原油価格の低迷により、中東産油国は苦境に立たされています。そんな中東産油国が主になって構成している利益確保を目的とした国際組織が「OPEC(オペック)」です。

ニュースや新聞などではよく見聞きするものの、その役割となると実は意外と知られていないOPECの成り立ちや役割について見てみましょう。

世界でも限られる産油国

数ある天然資源の中でも我々の生活に欠かせないものが原油ですが、産油地域は中近東諸国を筆頭として、世界でもごく一部の地域に限られています。
特に産油国が中東地域に集中している理由としては様々な説が提唱されていますが、原油生成に関わる現在の主要な学説であり、原油ははるか昔の生物の死骸が化学的に変質したものであるという「生物由来説(有機成因論)」に当てはめると、特に現在の中東地域が原油生成に適していたために中東地域に油田が集中していると言われています。

産油国のカルテル「OPEC」とは何か

中東諸国に集中している油田地帯ですが、その所有権はその地域を管轄する国にはなく、油田の開発から製品化までのを一手に引き受け、アメリカやイギリスに本社を置く「セブン・シスターズ」とも呼ばれた国際石油資本(オイルメジャー)によってその権利は独占されていました。
この状況を不安視したイラクの指導者だったアブドルカリーム・カーシムの呼びかけによって1960年に設立されたのが現在のOPEC(Organization of the Petroleum Exporting Countries = 石油輸出国機構)の原型です。

発足当初はオイルメジャーに対する穏健な価格改定の要求だけにとどまっていたOPECの活動ですが、1970年にリビアが史上初めて産油国からオイルメジャーへの価格改定の要求を呑ませたことを受けて穏健な方針から大きく舵を切り、強権的な方向へと進みます。
1970年代前半に次々と打ち出した各種協定によってオイルメジャーから価格決定権を奪い取り、1973年に勃発した第四次中東戦争をきっかけとして敵対国であるイスラエルを支援する先進諸国への原油輸出価格の切りあげとそれに次ぐ禁輸措置によりオイルショックと呼ばれる原油不足を引き起こし、国際社会に対して存在感を示したことでOPECは原油価格の決定権を完全に掌握しました。

その後、1970年代から80年代を通じて原油価格の決定権を握ったことで国際社会の中でも有力な立ち位置を占めていたOPECですが、1980年代後半から続く先進諸国の需要減少や非加盟国の産油量増大によるだぶつきにより、BRICsをはじめとする新興国需要が増加したことで高騰した2000年前後を除いて、原油価格は長期低迷傾向が続いているのが現状です

OPECのこれまでの役割と今後の動向

OPECの主な役割は、ここまで見てきたように加盟国の産油量を調整することで原油生産量と流通量を調整し、原油価格を調整することです。

しかし1980年代後半から続く先進諸国の天然ガスや原子力に代表される代替エネルギーの開発と普及をはじめとする様々な技術革新によって主な消費国であった先進諸国での原油需要は大幅な減少しました。
更にOPEC非加盟産油国の産油量増大による市場で取引される原油のだぶつきなどより、新興国需要が一時的に増大した2000年ごろからリーマン・ショック前後の2007年ごろまでの一時期を除いて、原油価格は長期低迷の傾向を見せています。

おわりに

かつての圧倒的な価格決定はなくなったとは言え、現在でもOPECは原油価格の決定に対して大きな影響力を持つ国際組織の1つであり、北海ブレンドと並んでOPECバスケットも把握しておきたいものです。