今、世間の中で1、2を争うほどの注目度を誇っているイスラム過激派組織「ISIS」。
そして、彼らが主に活動している周辺にある、石油産出国と石油をめぐる世界全体の動向は現在はどのようなかたちになっているのでしょうか。

そもそもISISとは

そもそも「ISIS」はどのような組織なのでしょうか。
日本のニュースや新聞では「ISIS」あるいは「イスラム国」が基本的には使われています。
ISISは別名「ISIL」と呼ばれ、ISISの場合は「Islamic State of Iraq and Syria」で「イラクとシリアのイスラム国」といった意味合いになり、
ISILの場合は「Islamic State in Iraq and the Levant」では「イラクとレバントのイスラム国」という意味になります。

それぞれの名称で国家を名乗り、ラッカを首都であると宣言をしていますが、外交相手として「国家の承認」を行った国は未だにありません。
ですが、支配領域内、特にラッカなどでは近代国家のような構造をつくりあげ、その凄まじい手腕がISISの勢力拡大の要因になっていると一部では評価されています。
ISISがつくる国家は「カリフ国家(カリフの指導下で運営される国家)」とよばれ、彼ら大きな目的は「カリフ国家が中東から東は中国、西は欧州まで広がること」であり、ラッカがカリフ国家の実例であるとされています。

「サラフィー主義」、「カリフ制」、「シャリーアの重視」などを標榜しているため、まずイスラム今日の歴史や制度への理解をある程度しなければ、彼らの主張や目的、動機などはなかなか理解しにくいものであるといえます。

石油はISISの資金源?

その勢力の凄さもさることながら、ISISは一部では「世界一裕福なテロ組織」であると言われています。
テロ活動は規模が大きくなればなるほど、人手や武器の調達などに多額の資金が必要になりますが、ISISはその資金を主に石油と天然ガスの売却収入と支配地域の住人への徴税や強奪によって賄っているとされています。

ISISの支配地域周辺には豊富に石油が埋まっていて、それらを他国に密輸して高額で売りつけることで、活動資金を稼いでいて、密輸をしている相手の国に関しては様々な憶測が飛び交っています。
そのため、アメリカ主導の有志連合が空爆を行う際には、支配下にあるイラクとシリアの製油所を重点的に爆撃を行っています。
最近では、空爆によってISISの石油輸送トラックを攻撃することに成功し、大きな打撃を与えたと報じられました。

一方で、石油や天然ガス以上に支配地域の住人への徴税や強奪の方が大きな資金源となっている、という見方もあります。
支配下の住民が「背教行為による逮捕」などの処分を受けた際には、家屋、資産、土地、家畜、禁制品(たばこや酒類)、車両、現金の押収による収入をまとめて「没収」としてISISのものになってしまいます。
また、国境付近では「人間の通行料と商品の通関料」などを設けることで、資金調達の手段を無数につくりあげています。

現在では、石油関係の施設などへの爆撃だけでは効果が薄いのではないか、という見方も多くなりました。

ISISが与えている影響

ISISの活動が激化の一途を辿る現在、世界全体で様々な問題が起こっています。
まず、欧州圏をはじめとする多くの国へ人が流れている「難民問題」です。
ドイツをはじめとする欧州圏の国では、早期から難民の受け入れが始まっていましたが、ドイツだけで昨年は約109万人の難民が流入し、現在では解決の目処が立たないので制限を設けている国がほとんどです。
各地では、これ以上の流入を防ぐ国側と難民たちとのトラブルが相次いで起こっています。

そして、パリでの事件がまだ記憶に新しい、「無差別テロ同時攻撃」です。
129人以上が死亡し、負傷者は300人以上で、そのうち100人以上が重篤な状態になるという、凄惨な事件でした。
このフランスを襲った事件の前日では、レバノンの首都ベイルートでもテロが起こっています。
ISISによるこれらの事件は世界に震撼を与えました。

この他にも動画サイトを使った強迫など、ISISの影響力は計り知れないものがあります。

おわりに

ISISは世界中が注目している組織であり、この騒動による世界全体への影響は広がる一方です。
一日も早い解決が望まれています。